在留カードとマイナンバーカードが一体化へ 外国人住民への影響は?
近年、行政手続きのデジタル化が進む中、外国人住民に関わる制度にも変化が見られます。
その一つが、在留カードとマイナンバーカードの一体化です。
外国人住民にとっては利便性向上が期待される一方で、新しい制度を正しく理解することも重要になります。
今回は制度改正の概要と、その影響について考えてみたいと思います。
何が変わるのか
これまで外国人住民は、
- 在留カード
- マイナンバーカード
を別々に所持し、それぞれ管理する必要がありました。
今後は希望する方について、在留カードとマイナンバーカードの機能を一体化したカードを利用できるようになります。
これにより、
- カード管理の負担軽減
- 行政サービス利用の利便性向上
- 手続きの簡素化
などが期待されています。
なお、一体化は希望者が対象であり、直ちに全員が切り替えなければならないものではありません。
利便性向上への期待
行政手続きは、日本人であっても分かりにくいと感じることがあります。
外国人住民の場合は、
- 日本語の壁
- 制度への理解不足
- 情報収集の難しさ
が加わるため、より複雑に感じることがあります。
カードが一体化されることで、手続きの負担軽減につながる可能性があります。
特に、住所変更や行政サービス利用時の利便性向上が期待されています。
注意したいポイント
一方で、新制度の内容を十分に理解しないまま手続きを進めてしまうと、混乱が生じる可能性もあります。
また、一体化は任意であるため、従来どおり在留カードとマイナンバーカードを別々に利用することもできます。
次に、新様式の在留カードでは、券面に表示される情報が一部見直されています。これまで券面で確認できた情報の一部は、ICチップで確認する形になります。そのため、必要に応じて、出入国在留管理庁が提供する在留カード等読取アプリケーションなどを活用して確認することが大切です。
また、制度が始まったばかりの時期は、自治体や関係機関によって案内方法に差が出ることも考えられます。
新様式の在留カードを偽造品と誤認した事案
制度変更直後の注意点を示す事案として、2026年6月に、新様式の在留カードを偽造品と誤認した誤認逮捕の事案が報道されました。
報道によると、警視庁の警察官が、2026年6月14日以降に発行された新しい様式の在留カードを偽造品と誤認し、ネパール国籍の20代男性を出入国管理及び難民認定法違反の疑いで誤って現行犯逮捕しました。
男性は約1時間後に釈放され、警察が謝罪したとされています。
この事案は、新しい様式を知らないまま在留カードを確認すると、正規のカードであっても誤って不審なものと判断してしまう可能性があることを示しています。
在留カードは、外国人本人にとって、在留資格、就労、生活、行政手続きに関わる非常に重要なカードです。
確認する側の思い込みや理解不足によって、本人に大きな不利益が生じることがあります。
そのため、在留カードを確認する場面では、「見慣れないから怪しい」と判断するのではなく、制度変更の内容を踏まえ、必要に応じて公式情報や読取アプリケーションで確認することが重要です。
制度改正と情報発信
制度改正は生活に大きな影響を与えることがあります。
特に外国人住民の方にとっては、日本語や情報収集の壁によって制度変更を把握することが難しい場合もあります。
制度が便利になる一方で、その内容が正しく伝わらなければ十分に活用することができません。
また、今回の誤認逮捕の事案からも分かるように、制度を理解する必要があるのは外国人本人だけではありません。カードを確認する側、支援する側、雇用する側にも、正確な情報が必要です。
今後も行政書士として、外国人住民の皆さま、外国人を雇用する企業、支援に関わる方々に向けて、制度情報を分かりやすく発信していきたいと思います。
おわりに
在留カードとマイナンバーカードの一体化は、外国人住民の利便性向上につながる可能性のある制度改正です。
一方で、今後しばらくは複数の様式が混在することになりますので、外国人本人も、雇用主や支援者も、新しい制度を正しく理解し、思い込みで判断しないことが大切です。
今後も制度改正の動向を注視しながら、国際業務に関する情報を発信していきたいと思います。